「プアなイノベーションより優れたイミテーション」

キャブたつです。

この哲学は私が仕事する上でも最も大切にしている考えの一つです。投資にも役立つ内容なので、ぜひご一読いただければと思います。

出会いと気づき

この言葉とは、仕事の業務効率upのために読んだ、学研が発行する
仕事の教科書mini Vol.4「残業もミスもなくなる!仕事が速い人になるコツ」
の中の一節で出会いました。

この本の詳細な説明は省きますが、ざっくり言うと、いくつかの仕事術を書いているビジネス書の要点をぎゅっと1冊にまとめた内容の本になっています。その中で、佐々木常男さんの「残業をゼロにする段取り仕事術」のコラムの中で、この言葉は出てきます。

佐々木常夫さんは、「模倣」がとても大事な観点の一つであるとし、下記のように述べています。

資料や書類をゼロから作ろうとするから時間がかかる。書庫の資料や先輩のファイルから考え方やフォーマットを借用し、そこに最新のデータや自分なりの工夫を加えて完成させる。優れたイミテーションを目指せば、半分以下の時間で仕事は終わる。しかも見栄えも良く、完成度も高い。

p.50「残業もミスもなくなる!仕事が速い人になるコツ」 Gakken 仕事の教科書編集部著 2015年 第1版

これは私の仕事の中でも常々思っていたことでした。
私の会社では製品を作り上げる中で、多くの開発資料や図面を作成します。一方で、先人たちが積み上げてきた同じような図面や資料の山がすでに存在しています。それらからフォーマットをあてはめ、自身がもつデータをあてはめ完成させることによって、例えば一から図面をつくるより作業効率が大幅に向上することを、経験的に理解していました。むしろ効率化が求められるものつくりの現場で、本当に一から資料や図面を作ることはよほど目新しい新製品でない限り無いですね笑

このようなフォーマット流用による効率向上の原理は他の事象にも多くあてはまると考えています。(たとえばファッションでのマネキン買い)

そして株式投資においても、この考えは適用できることにきづきました。

それは、ブログや本をみて、上手に利益を出している人の投資方針を理解し、それらをマネをするということです。考えてみたら至極まっとうな考えですが、意外とこの模倣を完全にできている人は少ないのではないかと思っています。
理由は、「専業の方と比べてそれを行う時間がない」「勉強する手間が面倒である」という様に、楽して稼ぎたいという思惑がどんな人の根本にあるからです。
このように楽した場合に考えられることは、勧められた銘柄を、特に調査もせずそのまま購入してしまう。またポートフォリオにある銘柄を同じように買ってしまうということです。この点は注意が必要で、銘柄は人によって購入した理由が異なるはずなので、勧められた銘柄ばかりを買う人は、その推薦に依存するだけで、なにも投資に関する知識、経験として得られていないのです。なのでこの模倣はとても危険です。

以上のことから、私は、あくまで「方針」を模倣し、そこから私の性格・投資資金量・投資に費やせる時間・目標という点を鑑み、投資方法を自己最適化することが大事であると思っています。それは損をしたくないから&短時間でパフォーマンスをできるだけ高めたいと思っているからです。この議論は車輪の再発明は要らないという議論と似ていますね。現時点ではまだ最適化はできておらず、投資家の方の本やブログを読んで、勉強をしながら少しずつ株を購入して、自分の型を模索しています。

これがもし、方針を最初に立てず、株の専門用語を勉強して、さあ株を買うぞ、買いながら自分の方針を見つけようとしていたら、私の、損は絶対にしたくないという性格上、チャートが常に気になってしょうがなくなり、しばらくは損切り貧乏に間違いなくなっていたかと思います。一年くらい経ち、自分なりの方針を見つけたとしても、それはその時の短期の株の値動きにそった局所最適の方針になっていたかと思います。結果として、方針がころころ変わるはめになるかもしれません。これがまさにプアなイノベーションです。

どんな状況で役に立つか

私なりに抽象化して考えてみると、以下のような状況でこの哲学は役に立つのではないかと思います。

・あなたはそれに関心はあるが初心者・無知である
・あなたはそれで成果を挙げたいと思っている
・時間の制約がある(仕事の納期など)
・それに関するノウハウが蓄積されている(長い歴史がある)
・そのノウハウにすぐにアクセスできる環境がある

大きなところはスキル的な制約と時間的な制約がある場合にです。
そもそもプアではなくいきなり優れたイノベーションを生み出せる人には、この考えは不要かと思います。私は凡人なので、優れた人のアイデアや積み上げられたデータを多く分析し、少しでも多く自分の血肉にしたいと考えてます。そしてこの優れたイミテーションを繰り返し、いずれ優れたイノベーションを起こせたらと思っています。

まとめ

「プアなイノベーションより優れたイミテーション」とは、限られた時間で最大限の成果を出すための知恵である。

以上、この哲学が皆さんの人生を少しでも豊かにしてくれたら幸いです。

byキャブたつ

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